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100日後に死ぬワニはなぜ炎上した⁉︎100日後に死ぬワニ考察②

 

第6回目は『100日後に死ぬワニ』2回目です。

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きくちゆうき(@yuukikikuchi)

 

異常なほどの盛り上がりの中、見事に完結しましたね。

そして、それを上回る盛り上がりで炎上しましたね。

今回はなぜ『100日後に死ぬワニ』が炎上したのかを考えていきます。

 

 

読者はワニ君に感情移入しすぎた⁉︎

 

本来この漫画は、ワニ君に対して読者が感情移入しないことを前提とした漫画です。

感情移入してしまった途端にこの漫画の面白さは半減してしまいます。

 

これは前回の記事でも書きましたが、読者はワニ君が死ぬ日を知っていますが、ワニ君は自分が死ぬ人を知りません。

その立場の違いを楽しむのがこの漫画の面白さであり、既存の漫画と一線を画すものでした。

 

ところが更新が進むにつれて、毎日投稿ということもあり、読者がワニ君に愛着を持ちすぎてしまったようです。

愛着から感情移入してしまうことで、「死ぬまであと○日」の文字の意味が変わってしまいました。

「死ぬまであと○日」の文字は、当初は読者とワニ君の間に線引きをする役割でしたが、最終的には読者のワニ君に対しての愛着を際立たせるものになってしまいました。

 

これにより「既存の漫画とはまったく違う新しいスタイルの漫画」→「よくあるお涙頂戴漫画」へとランクダウンしてしまうのです。

しかし世間は「よくあるお涙頂戴漫画」が大好きですから、最後まで熱量を持って支持していました。

そして100日目には完璧な最終話を迎え、読者も感動し、お涙しました。

 

そこに映画や、グッズ、いきものがかりとのコラボの情報が瞬く間に投稿されます。

 

炎上した原因は⁉︎

 

それでは本題である炎上した原因についてです。

それは漫画のランクダウンと情報展開が早すぎることの2つが重なってしまったことです。

 

読者達は大好きなワニ君が死んでしまったことによって、お涙を流す時間も必要だし、ワニ君を供養する時間も必要だし、喪に服す時間だって必要だったのです。

まだお通夜も終わってない状態で、「ワニ君で一儲けします‼︎」と言われれば、読者としては「ワニ君のお通夜中に不謹慎じゃないか‼︎」と批判したくなるわけです。

 

おそらく、読者の中でワニ君の葬式も四十九日もちゃんと終わってからの情報発表であれば炎上はしなかったと思います。

 

ワニ君の供養まで時間。

それはすなわちこの漫画の再評価までの時間です。

 

改めてワニ君とは別の立ち位置から読者が漫画を捉えて、「よくあるお涙頂戴漫画」から「既存の漫画とはまったく違う新しいスタイルの漫画」だと再評価(ランクアップ)をする時間が与えられさえいれば、映画化、書籍化等はすんなりと受け入れられ、ワニ君はSNSの人気キャラクターから日本の人気キャラクターに上り詰めることができたのではないでしょうか。

 

以上が私が考える『100日後に死ぬワニ』が炎上した理由です。

別に金儲けすることを批判されているわけじゃなくて、「葬式で金儲けの話をするのは良くないよね」っていうだけの話でした。

 

次回は私が個人的に『100日後に死ぬワニ』をどう読んでいたかを書こうと思います。

 

終わりに

 

Twitterのトレンドとは無関係な生き方をしていたので、炎上という言葉は知っていましたが、自分が追いかけていたものが炎上したのは初めてでした。

批判する声はまさに火ように、瞬く間に広がり、激しさを増していく様に、炎上とはよく言ったものだなぁと感心しました。

 

作者への非難に対する、反論(作者を擁護する声)もたくさん出てきました。

大火事の周りに、火消し達が集まって「ソイヤソイヤ」と必死に火を消しているなか、それを見物する野次馬達でほとんどお祭り状態です。

 

その中心でワニ君は焼け死んでいきました。

 

ワニの死因は焼死でしたね。

 

おあとがよろしいようで。